INTERVIEW 04
予期せぬ
出来事が社会で起きた
ときこそ、
映画館はパワーを発揮する。
2011年入社
Yumi Shibata
支配人
Chapter 01
大学卒業後、もともとは他業種に就職予定でした。ですが、内定先で研修を受けるうちに違和感が出てきてしまって、就職を見送ったんです。じゃあなんの仕事をしようかと考えていて、もともと映画館が好きだったので「あの映写窓の“向こう側”はどうなっているんだろう?」と興味が湧きました。それで昔から馴染みがあった109シネマズグランベリーパーク(東京都町田市)で、アルバイトをすることに。映写機の扱い方やフィルムの編集など、初めてのことばかりで刺激的な毎日でした。
正社員として入社後は、マネージャーを経て109シネマズ二子玉川(東京都世田谷区)で副支配人に、そして109シネマズ四日市(三重県四日市市)で支配人に。現在は支配人として109シネマズグランベリーパークに再び戻ってきました。
支配人の業務は多岐にわたります。朝は映写機の立ち上げや機材のチェックから始まり、上映スケジュールの調整、配給会社との打ち合わせ、イベントの企画・運営などを担当。さらに設備管理やトラブル対応、アルバイトスタッフへの指導も欠かせません。
映画館の現場は予測不能な出来事が多く、災害や停電など緊急時には迅速な判断が求められます。その分やりがいも大きく、お客様に「また来たい」と思ってもらえる映画館づくりに挑戦できる仕事です。
Chapter 02
映画館で14年間働くなかで、忘れられない出来事はたくさんあります。特に強く記憶に残っているのは、2011年の東日本大震災と2020年からのコロナ禍です。
東日本大震災発生当時、私はアルバイトとして映写室で仕事をしていました。地震の衝撃で機材が倒れたり上映が止まったり、劇場全体が混乱状態に。前代未聞の事態でしたが、支配人や社員の指示のもと、お客様の避難誘導や館内の安全確認を行いました。
その後、機材やフィルムなどのダメージが判明したため、一時休館。営業を再開したときには「また映画が観られてうれしい」とお客様が喜んでくださいました。
コロナ禍でも、多くの映画館が休業を余儀なくされました。ただ、当時私がいた109シネマズ四日市は比較的早い段階で営業を再開したんですね。行政とも密に連絡を取り合いながら、収容人数の調整や、ソーシャルディスタンスや消毒に関するルールづくりを手探りで進めました。そのときもやはり、来てくださったお客様に「再開を待ってました」と言っていただいたのを覚えています。
こうした経験を通して、日常生活においてエンターテイメントがどれほど求められているか、そして映画館の存在意義を再認識しました。
Chapter 03
いつでもどこでも映画を観られる環境になっている今、お客様が映画館に求めているのは、快適な鑑賞体験ができる空間や時間なのかな、と思います。これまで以上に上映環境に気を配るようになりました。
この仕事の魅力は、ただ「映画を上映すること」ではなく、「特別な体験を提供する場をつくること」だと感じています。映画館の仕事は決して楽ではありません。でもアイデアや工夫次第で、お客様に最高の体験を提供できるのが支配人の面白さです。
たとえば、私はゲーム実況が好きでよく観ていて、ジャンルとしての盛り上がりやファンの方々の熱さはすごいものがあると常々感じています。だから映画館でゲームイベントやeスポーツ観戦イベントを開催できないかな?と以前から考えていて。これはまだ実現には時間がかかりそうなのですが、そういった新しいアイディアを出しやすく、挑戦のハードルが決して高くないのも、働きやすさにつながっています。109シネマズは働く人にとっても可能性に開かれた場なんです。新しい挑戦をしたい人にとって、やりがいのある環境がここにはあると思います。