INTERVIEW 05
作品と映画館、
両方の魅力を
伝えるには
「お客様目線」が欠かせない。
2006年入社
Junya Makino
興行部マーケティング課係長
Chapter 01
私は子どもの頃から映画がものすごく好きだったタイプではありません。長年スポーツに打ち込んでいて、映画館とは縁遠い人間でした。ですが、怪我でスポーツを辞めざるを得なくなり、落ち込んでいたときにふと映画館に足を運んだんです。これが人生を変えました。作品そのものはもちろん、ほかの観客と一緒にスクリーンを見つめる一体感に魅了され、「この空間をつくる仕事に携わりたい」と思うようになりました。
109シネマズグランベリーパーク(東京都町田市)でマネージャーとしてキャリアをスタートし、副支配人・支配人を経験したのち109シネマズ名古屋へ 。現在は本社の興行部マーケティング課に勤務しています。主な業務は、配給会社と連携した作品の宣伝です。
たとえば、新作映画のプロモーションでは、ただポスターを掲示するだけではなく「どのような装飾をすれば、映画館全体で作品の世界観を伝えられるか」を考えます。衣装や小道具の展示のほか、入場者プレゼントの選定も重要です。また、SNSでの発信戦略を立てることも大切な業務のひとつですね。
さらにマーケティング課の仕事には、映画館の魅力を伝えることも含まれます。ブランディングや地域との連携、キャンペーン企画なども手がけます。近隣の商業施設と提携したイベント企画や、地域の媒体を活用した広告展開など、各劇場の認知度を高めるための取り組みは欠かせません。
Chapter 02
名古屋での支配人時代、アニメファンが集まる劇場づくりに力を入れていました。積極的にアニメ作品を上映するのみならず、配給会社と交渉を重ねて、声優やスタッフの方々の舞台挨拶などさまざまな施策を実施。お手製のスタンディ(自立式のパネル)を自分たちでつくってフォトスポットを設置することもよくありました。私は不器用なので工作は苦手で、スタッフの力を借りることが多かったですが……(笑)。こういった劇場オリジナルの施策も背中を押してくれるのが109シネマズの強みですね。
また、お客様と直接お話する機会があれば、今どんな作品がアニメファンの方々の間で盛り上がっているか、聞かせていただくことも。そうした積み重ねによって、“ここ”でしか体験できない価値を生み出し、特色ある映画館にしていきました。
この経験を本社でも活かし、109シネマズ全体で統一感のあるプロモーションを考えながらも、劇場ごとの特色を大切にすることを意識しています。支配人時代に現場で培った「お客様目線」を忘れずに、マーケティング課としてできることを常に模索しています。
Chapter 03
映画館は今、激変の只中に在ります。映画を取り巻く環境が変わり、映画館のあり方が問われている。ですが、それと同時に、映画だけでなくライブビューイングや特別上映、イベント上映など多様なエンターテイメントを届ける空間になり、可能性は広がっています。
マーケティング課としても、こうした状況を踏まえ、映画館ならではの魅力をどう発信していくのかは今後の課題です。特色ある映画館づくりを行うためには、知識やノウハウを社内で共有することも大事。誰がどこの劇場に配属されても同じ水準で仕事ができる環境づくりも進めていきたいですね。私自身、これからも劇場スタッフとのコミュニケーションを大切にしながら、お客様に映画館で特別な体験をしていたただけるよう、努力を続けていきます。